宗教別の葬儀。仏式・神式・キリスト教式の違いを学ぶ

宗教には仏教・神道・キリスト教などの種類があるけれども、自分の家の宗教と同じであれば葬儀におけるマナーはわかるけれども、それ以外のときには詳しいことがわからないので参列するときには失礼に当たらないようにしたいなどと考える人は多いといえましょう。それぞれの宗教には特別なマナーがある、同じ仏教でも宗派が異なるとお焼香のときのやり方に違いがあって、前の人が行っている様子を見て自分も同じようにお焼香したなどの経験を持つ人は多いのではないでしょうか。

仏式と神式など葬儀の違いとは?

神道は古来から日本に存在している代表的な宗教になるものですが、歴史の中において神仏習合といった具合に神道の神々や仏教の仏様は同一のものである、このような考え方も存在していたといいます。しかし、明治時代以降は神道および仏教は完全に別なものとされ切り離されたのです。葬儀において日本の中で執り行われているお葬式の多くは仏式によるものではあるけれども、最近では神式による葬儀や神葬祭を希望される人も多くなっているなどの時代での変化が生じています。

なお、仏教を信仰されている人は仏式で神道を信仰されている人は神式の形で葬儀が行われるのが特徴で、二つの違いは仏教と神道の違いに由来しているものです。そして、これらの宗教の一番の違いというのは普遍宗教であるのか、それとも民族宗教になるのかなどが挙げられます。仏教はキリスト教やイスラム教と同じように経典と呼ぶ教えが存在している、明確な信仰となる対象や核となりえる考えがあり、国境や人種を越えて様々な人々が信仰できる、これを普遍宗教と呼ばれています。

仏式と神式の葬儀それぞれの特徴

神道には伝説や言い伝えなどはあるけれども、仏教のような明確な教えや物理的な経典などは存在しないのが特徴です。昔から各地で伝達されて来た、様々な信仰そのものを一つの神道としてまとめた考えに基づくものなどの解釈が存在するようです。日本は、八百万の神の考え方があるのですが、人々がコントロールすることができない自然や天気など神格化して崇める文化がある、絶対的な一つの事象を信じるわけではないため他の国の人々からするとその考え方に理解を苦しむケースは多いようです。

なお、仏式と神式の葬儀の大きな違いは、神道では死は穢れとなり死により汚れた生活そのものを清める、儀式によりそれを可能にするといった考え方があります。そして重要なことは先祖崇拝であり、故人はしっかり祀り子孫を守る神になる、先祖のことを敬う部分においては仏教と類似しているけれども仏教は死を穢れとする教えはないなどの大きな違いがあるようです。

仏教の読経および神道の祝詞について

仏教の読経および神道の祝詞について

仏教のお葬式では僧侶がお経を唱え故人の冥福を祈る、神式はお経ではなく祝詞を唱えて故人と共に子孫の繁栄を祈るなどの目的そのものが異なるのが特徴です。さらに仏教の教えには魂は冥土で転生する輪廻転生の考え方があるのに対し、神道では故人の魂は家の守護神になるなど考え方そのものに違いを持ちます。これらの考え方の違いは葬儀そのものの目的における違いでもあり、お焼香と玉串奉奠の違いはこれらの葬儀の目的に違いがあることで生じる部分です。

仏式のお葬式では一人ずつ棺桶などの前でご焼香を行うことになりますが、このときお線香はなくてはならない存在になっています。これに対して神式のお葬式はご焼香もなければお線香も存在しません。お線香の役割にはいくつかの説があるようですが、故人の魂が冥土までの道のりを迷うことなく到達できる、線香の煙は道しるべとしての役割を持つなどの考え方がある、神道は家の守護神になるのでお線香の煙は不要といった考え方があるようです。

戒名の有無も両者の大きな違いの一つです

人が亡くなったときには、仏教の中では生前の名前ではなく戒名が付けられるのが特徴です。この戒名は仏門に入った証とされるもので、戒名の名を貰い次の世界に移動することになります。神道の場合は故人の名前は親および神から授かったものであり、とても大切なものなどの考え方がありますのでそのまま魂の名称として引き継がれます。お葬式を執り行う場所についても仏教と神道では異なるようですが、仏教のお葬式は斎場だけでなくお寺で行われることも決して珍しいことではありません。

神式のお葬式は神社で行われることはないのが特徴ですが、その理由の中には神道は死を穢れであるとみなしている、神が祀られている場所に持ち込んではならないなどの考え方があるためです。不幸が起きたときに鳥居をくぐってはならない、このような話を耳にしたことがある人は多いかと思われますが、これは神道の教えや考え方に基づくもので死を穢れとするのか否かによる違いがあるわけです。

まとめ

仏教のお葬式は初七日や四十九日といった具合に7日ごとにいろいろな法要がありますが、神道にはこのような法要そのものありません。ただし、仏教の四十九日と類似している五十日祭りと呼ぶものは存在しているようです。しかしながら、仏式のように7日ごとに法要を行うなどはないなどの違いがあるようです。このように、仏教と神道はそれぞれに特徴がある宗教であり、お葬式一つを見ても全く異なるものなどがわかるのではないでしょうか。

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