海外のお葬式は日本とこんなに違う!式の進行や費用、服装マナーを比較

最近は無宗教葬も増えているものの、昔からお葬式は宗教的な儀式として執り行われてきました。そのため、宗教的な背景の異なる海外のお葬式の風習や服装・マナーは日本とは大きく異なります。外国人と国際結婚をしていたり外国に滞在する予定がある方は、海外のお葬式についても知っておくと良いでしょう。世界中には多くの国や地域がありますが、ここでは日本と経済的・文化的な結びつきの強いアメリカ合衆国・韓国・中国の3ヶ国のお葬式を日本と比較してみます。

一般的な日本のお葬式の流れ

海外と比較する前に、日本のお葬式の基本的な風習やマナーをご紹介します。日本ではお葬式専用の礼服(喪服)が存在し、施主や関係者に加えて葬儀に参列する人も全員が喪服を着用することが求められます。主に仏式・キリスト教式・神式の3種類がありますが、いずれも2日間にわたり通夜と告別式に相当する儀式が執り行われます。葬儀において、全ての参列者は1人ずつ「お焼香」「献花」「玉串奉奠」のいずれかに参加する機会が設けられます。

このため、お葬式に参列する場合はこれらのマナーを身につけておく必要があります。一般的に、仏式葬では参列者は施主に香典料(お金)を包んでお渡しします。仏式以外でも、献金(キリスト教式)または玉串料(神式)という名目で参列者が主催者にお金を渡す風習があります。告別式の後は家族や親族だけが故人の遺体と一緒に火葬場に行き、火葬をして骨を拾ってから終了となります。

仏式・キリスト教式・神式のいずれも、日本のお葬式はフォーマルで堅い雰囲気であるという特徴があります。明るい色のアクセサリーやバッグなどを身につけたり、葬儀の間に笑顔を見せることもマナー違反とみなされます。

アメリカ合衆国のお葬式

アメリカの葬儀の特徴の一つは死体に防腐処理を施すエンバーミングであるが、これは62万人というアメリカ史上最大の戦死者をだした南北戦争をきっかとして普及し、当時誕生しつつあった葬儀産業の基盤となり発展した。また、墓地は1830年代に大改革が行われ、庭園と墓が結びついた庭園墓地が新た墓地のモデルとなった。

https://www.mfj.gr.jp/agenda/2010/09/22/conf_kurosawa/index_ja.php

アメリカ合衆国でポピュラーな宗教はキリスト教(プロテスタント)で、カトリックも多くいます。このため、伝統的なアメリカのお葬式は教会で牧師(プロテスタント)や神父(カトリック)によって進められます。アメリカでは教会などで葬儀が行われる前に、日本の通夜に相当する“Viewing”が行われます。これは最後のお別れの機会で、棺に納められた故人に別れを告げたり遺族の方と会話をします。Viewingの翌日に、葬儀の儀式が執り行われます。

アメリカのお葬式でも、主催者は基本的に暗い色の礼服を着用します。ただし喪服を着用する風習は存在せず、黒っぽいスーツが用いられます。参列者の服装は必ずしも黒である必要はなく、礼服であれば明るい色でも問題はありません。

最近は火葬をするケースも増えているものの、欧米の伝統的なキリスト教のお葬式は土葬が行われます。葬儀の後に霊柩車を先頭に自動車で全員が墓地に移動して、牧師または神父が祈りをしたり簡単な話をしてから一同が黙とうして、棺が埋葬されます。日本では火葬や埋葬は家族や親族だけが立ち会いますが、アメリカのお葬式では基本的に参列者全員が埋葬に立ち会うことができます。

韓国(儒教式)のお葬式

韓国(儒教式)のお葬式

伝統的な韓国のお葬式は、儒教の風習にしたがって執り行われます。儒教では血縁関係を重視するので、遺族や親族にとってお葬式はとても大切な儀式です。韓国のお葬式の大きな特徴は、3日間をかけて多くの儀式が実施されることです。朝鮮語で「3日葬(サミルチャン)」と呼ばれており、2日目と3日目に日本の通夜と告別式に相当する儀式が執り行われます。

1日目ですが、故人に白い服を着せてロウソクをともしてお香を焚き、故人と親しかった人に訃報の連絡をしたり葬儀の担当を決めます。

2日目には日本の納棺と通夜に相当する儀式が行われ、弔問客が迎え入れられます。喪服を着用するのは遺族だけで、8親等以内の親族は正装をして臨みます。遺族以外の参列者が喪服を着用することはマナー違反で、立場に応じて服装のランクを守ることが求められます。

3日目は祭祀(チェサ)と呼ばれる儀式と告別式が行われ、棺を墓地に運んでから喪主が形式的に3回土を盛ります。その後に土を盛り上げて埋葬して、墓前に霊座を作ってお供えや祭祀が行われます。

韓国式のお葬式の大きな特徴は、弔問客は焼香の際に遺影に向かって「クンジョル」と呼ばれる独特のお辞儀をしなければならないことです。クンジョルは膝をついて両手を床の上に添えて、頭を手につけて深いお辞儀をします。

中国(儒教式)のお葬式

中国のお葬式の大きな特徴は、死後ではなくて存命中に臨終前にお葬式用の特別な服装を着せることです。儒教の教えでは亡くなった後に死者が暮らす場所が存在するので、葬儀では故人が「あの世」で良い暮らしができるように備えをするための儀式が行われます。

遺体は殯儀館(ひんぎかん)と呼ばれる斎場に運ばれ、「追悼会議式」「遺体告別儀式」が行われます。これらの儀式では遺族を慰めるための“イベント”が行われ、芸人を呼んだりバンド演奏などが披露されることも珍しくありません。一通りの葬儀が終わると、音楽が流されて殯儀館に隣接する火葬施設に棺が移され、火葬が行われます。遺骨は3年間にわたり納骨堂に安置された後に、墓地に埋葬されます。

中国のお葬式は喪服を着用する習慣がなく、参加者はスーツを着用します。スーツの色やデザインについても決まりはありませんが、黒と白の服を着用する人が多いようです。日本の香典料に相当する習慣がありますが、金額は9以外の奇数になるようにします。ただし香典袋のようなものは存在せず、普通の白い封筒にお金を入れて渡します。

まとめ

日本人の中には国際結婚をしていたり海外に在住している方であれば、外国でお葬式に参列する機会があるかもしれません。国が変わればお葬式の服装・マナーが大きく異なるので、いざという時のために知っておくことが大切です。外国には日本のようにお葬式専用の礼服(喪服)を着用する習慣がない場合が多く、このような場合はスーツを着て葬儀に参列することになります。お葬式に参加する際に着用すべきスーツの色やデザインは、国ごとに違うので注意が必要です。

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